授業内容・授業計画
ポリシーとの関連 |
ディプロマポリシー |
1 徳育・教養 |
カリキュラムポリシー |
1 徳育・教養 |
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授業のキーワード |
社会、科学、近代、リスク社会 |
学生の到達目標 |
1. 「社会」や「近代」の歴史や条件を認識できる。
2. 「社会」や「近代」の延長線上に自分自身を捉えられる。
3. 他の学生との意見を交換するなかで互いに自身の理解を深められる。 |
授業の内容 |
第1回 |
「イントロダクション」(目標2)
自己紹介として講師の研究内容を、そして講義全体の構成について説明する。 |
第2回 |
「社会という語」(目標2)
今回は、社会とは何なのかを考察する足がかりとして、普段わたしたちは社会という語をどのように用いているのかをディスカッション形式で検討していく。これによって、社会という認識の不思議さを知る。 |
第3回 |
「社会の歴史」(目標1)
前回で明らかにしたわたしたちがもつ社会という認識の不思議さの由来について考察する。そのために、社会という語の歴史について知る。「社会」とは、英語のsociety、独語のGesellschaft、仏語のsociétéの訳語として明治期の日本で用いられ始めたのだが、一般に広まる過程で、原語であるsociety等とは異なるイメージを指し示すようになっていったことを理解する。 |
第4回 |
「societyという理想」(目標1)
今回は社会の原語であるsociety等の歴史を知る。明治期の日本人が輸入しようとしたsocietyという概念は、欧州においても18世紀になって広まった新しい発想、いわば理想であったことを知る。また、そのsocietyという理想を実現させようとする時代が、わたしたちが生きる現代もそこに含まれる、近代という時代であることを理解する。 |
第5回 |
「近代という理想」(目標1、2)
societyという理想が目指される「近代社会」とはいかなるものかについて、市民革命を導いた思想家達の議論から理解する。その上で、近代国家、近代憲法とはわたしたちにとってなんなのかを理解する。 |
第6回 |
「社会学の誕生:現実としてのsocietyの発見」(目標1、2)
society という理想を実現しようとする近代という時代において、19世紀半ば以降になると、人々が自分たちの意図しなかった事態に直面するようになったことを理解する。また、その事態の発見とその要因への問いとして社会学が誕生したことを知る。 |
第7回 |
「社会を知るには?①」(目標1、2)
今回から3回にわたっては、具体的に社会学の創始者達が当時どのように現実社会を捉えていったのかを理解する。今回は、仏のエミール・デュルケムの研究内容とその手法から、彼が現実としての社会をどのように見出したのかを理解する。 |
第8回 |
「社会を知るには?②」(目標1、2)
今回はマック・ヴェーバーの研究、とりわけ『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』の内容を理解することで、彼がどのように社会を捉えたのかを理解する。 |
第9回 |
「社会を知るには?③」(目標1、2)
今回は、前2回のまとめとして、主にヴェーバーが導きだした、近代における社会が、個人にとってよそよそしいものとなる理由や、そこからもたらされる生き辛さにについて知る。またその生き辛さは、近代の一部である現代においても共有されるものであることを理解する。 |
第10回 |
「映画で知る現代社会」(目標2)
今回は、映画とは社会を知る方法の一つとであるという前提のもと、現代社会を描く映画を一本皆で鑑賞する。鑑賞した映画についての社会学的な考察は、期末課題の一つとなる。 |
第11回 |
「科学(science)とは?」(目標2)
今回からは、現実としての社会を捉える方法として求められた科学について知る。先に取りあげた、デュルケムやヴェーバーは、現実の社会を正確に捉える方法として科学的であることに拘ったのだが、そもそも科学的であるとはいかなることをいうのかを大まかに理解する。 |
第12回 |
「社会を科学する困難」(目標2)
自然を理解する営みとして誕生した科学を社会の理解に応用する時、どのような事態になるのかを、自己言及である社会科学の困難と面白さとして理解する。 |
第13回 |
「リスク社会という現代:自然が社会の一部になる」(目標2)
前回知った社会科学の困難は、リスク社会と言われる現代においては、自然科学と見なされてきた分野においても避けては通れないものとなっていることを知る。またそのことによって、科学技術の進歩によるリスクの前には、専門家などによる正しい一つの答えを期待できないことを理解する。 |
第14回 |
「リスク社会を生きる:「統治」から「ガバナンス」へ」(目標2、3)
前回で知った、専門家や正しい一つの答えを期待できないリスク社会を生き抜くには、わたしたちはどうしたらいいのか、日本や諸外国で取り組まれている事例とともに理解する。 |
第15回 |
「まとめと復習」(目標3)
期末試験に向けて、これまでの議論をまとめ、質疑応答を交えて復習する。 |
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予習・復習の内容 (毎回180分程度) |
予習 |
第1回~15回(共通):講義テーマを事前に確認しておくこと。講義テーマについて、自分の知っていること・関心・疑問を言葉にしておくこと。 |
復習 |
第1回~15回(共通):授業内容をノートを見ながら確認し,疑問点や不明な点を言葉にしておくこと。授業内で提示する問いに対して、自分の言葉で答えられるようにしておくこと。 |
展開 |
それぞれの抱える問題を、科学的知見や芸術作品に触れることで、より社会的に位置付けてみる。 |
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成績評価 |
評価の基準 |
1.授業で説明した概念を理解しているか。
2.社会学という学問の特色を自分なりに説明出来るか。 |
評価の方法 |
期末筆記試験 100点
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教科書 |
教科書は用いない。必要な資料等を授業中に配布する。
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推薦図書 |
書籍名 |
危険社会―新しい近代への道 |
著者名 |
ウルリッヒ・ベック |
出版社 |
叢書・ウニベルシタス |
価格 |
5,250円 |
ISBN・ISSN |
4588006098 |
書籍名 |
ジンメル・つながりの哲学 |
著者名 |
菅野仁志 |
出版社 |
NHKブックス |
価格 |
970円+税 |
ISBN・ISSN |
4140019689 |
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参考URL |
関東社会学会機関誌バックナンバー
〈http://kantohsociologicalsociety.jp/annual_report/index.html.〉 |
備考 |
オフィスアワー:授業の前後に教室にて,または授業関係質問票によって質問・相談を受けつけます。 |